2013年3月27日水曜日

勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。




『勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。』

こんな言葉があります。

昨日の、Wカップアジア杯最終予選の、ニュース報道と試合結果を見て、
この言葉が思い浮かんだので、ちょっと気になっていろいろ調べてみました。
少年野球のブログで、サッカーの話ですいませんm(_ _)m

『日本、引き分け以上で最速W杯出場!ヨルダン戦!』

こういう、スポーツニュースの見出しタイトル。
事実を書いてあるだけなのかもしれませんが、もしこの報道のような『気持』で
選手達がヨルダン戦に望んでいるのであれば、確実に負けるなと思ってました。
結果・・・、負けてしまいましたが・・・。(-_-)ウーム

で、この言葉。

『 勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。 』

勝とうとしているのに、打たないの?みたいな言葉に
???がついた方もいらっしゃると思いますが・・・。

兼好法師(吉田兼好)が鎌倉時代に書いた「徒然草」という古典の
110段に出てくる言葉でございました。(そんなに、古典好きではありません)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

双六の上手といひし人に、その手立を問ひ侍りしかば、
「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手か疾く負けぬべ
きと案じて、その手を使はずして、一目なりともおそく負くべき手につくべし」
と言ふ。道を知れる教、身を治め、国を保たん道も、またしかなり。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



現代語(今の若者風)に訳してみました。下記のような感じですかね。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
俺さ、双六ゲームがうまい人に、
「どうやってんの?」って聞いたんだよね。

そしたらさ、彼がこういうんだよね、

「 勝とうとして打っちゃダメだよ。
 負けないように打つべきなんだって。
 『この手を打ったら、負けちゃうかも!』って手は
 絶対に使わないようにして、
  少しでも負けるのが、遅くなる手を打っていくべきなんだよ」

って言っててさー
ホントこれって、すげぇ道を極めた人の言葉だよなぁー。
これって、自分を磨く事とか、国を治める方法とかにも通じるかもしれないよねー。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

と言った感じでしょうか。
少年野球のブログで、古典の話しですいません。

この話しの、”双六”とは、現代の『すごろく』遊びではなく、
サイコロを使って、考え戦いあうゲームで、いわゆる将棋や囲碁みたいなものらしいです。
「双六の上手」=「ゲームのプロ」です。

この兼好さんが言うには、このゲームの秘訣は、

『勝とうとするな。負けないようにしろ』

ということを言っておられます。


『勝とうとするな・・・』
何をめちゃくちゃな事を言っているのかと思いますが・・・。

やっぱり、ふつう少年野球の試合でも『勝つこと』は意識させます。
だけど『勝とう・・・』と思うほどスキができます。
空手でも、右からの回し蹴りをする瞬間、蹴りに意識が集中して、
左側は疎かになり、突きで一本もらっちゃいます。
ボクシングでも、カウンターパンチを狙われます。
野球もそうですが、一発を狙いにいってると三振になったりします。
『勝とうとする』人というのは、相手をなめてかかっていると言う事でもあります。
「こんな手を取ったら、相手は真の狙いに気づかないだろう! いや、気づいてほしくない!」
そんな風に、思考をストップさせます。
さらに「相手はレベルが低いに違いない」という願望が湧いてきます。
その油断から、足下をすくわれます。

逆に『負けないようにする』人の場合、常に相手の能力を高く見ます。
「この手をしたときに、もしそれ以上の返し手を打たれたら?」
「もっとスゴイ手が潜んでるかもしれない!」
そう考え続ける結果、自分自身のレベルも上がっていきます。
これを繰り返せば、最終的に強くなっていくのは、もちろん後者です。

さらに『勝ちたい!』というのは、ウラを返せば、
「早く勝って、勝負を終えて、ラクになりたい!」という気持ちの表れでもあると思います。
なので「この勝負がつらい」と思っているわけです。
しかし『負けないようにしたい』というのは、それだけ長期勝負になっても
大丈夫という『覚悟』があります。
その結果、積極的に「楽しもう」と思えることもあるかもしれません。
「早くこの試合に勝って、次に行きたい・終わらせたい」と思ってるチームと、
「野球大好き、延長戦が何回でも守っていたい・打っていたい」というチーム。
二つのチームが「9回からの延長戦」をしたら、おそらく勝つのは後者です。

で、今回のWカップ日本代表は、前者みたいな気持だったら・・・
・・・。とニュースの見出しタイトルを見て思っていました。
・・・案の定でした。

『勝つ』というのは、一瞬のことです。
一度でも「勝ったぁ!」があれば、達成されます。
極端な話、ある日、ある時間だけ頑張れば、『勝つ』ことはほぼ可能です。

しかし『負けない』というのは、「長期的な状態」です。
それこそ『一度も負けない』ために、一生に渡って、努力を続けなくてはなりません。

たとえばですが、
「少年野球の時は、大会で優勝してさー」
「俺も、ホームラン10本打ってさー」
と話してばかりいて、今は何もしていない人は、魅力的でしょうか?
おそらくNOのはずです。
しかし今、毎日、負けないように頑張っている人は、
それだけでも十分、魅力があって輝いているはずです。

一度だけ何かで勝つことは、実は大したことではありません。
大切なのは、『負けない』という状態を、ずっと貫いていくことなのです。
こう考えると『勝つ』より『負けないようにする』という方が、ずっと
ハードで、重要なことだと思います。

だからといって「そんなに大変なこと、できないよ」と思う必要はないと思います。
考えようによっては、ずっと面白く、長く続けられることだったりします。
それこそ野球で言うなら、毎日『素振り』や『キャッチボール』を繰り返すのと一緒です。
『いつか大きく勝つ』『ホームラン王になる』よりも
『毎日、想像する強いチームのピッチャーに負けないように、
 ヒットを打つイメージの素振りをする』
誰にも負けない』という方が、
ずっと分かりやすく、楽しいもの。そう考えることもできます。
うちの息子にも、もう少し伝わればいいんですが・・・。( ̄~ ̄;) ウーン

いずれにしても大切なのは、『負けない』こと。
負けなければ、勝負の途中で、ライバルがエラーをするかもしれません。
体力負けして、ピッチャーがファーボールを出してくるかもしれません。
根負けして、ピッチャーが変わるかもしれません。
気力負けして、バッターが、一塁まで走りきらないかもしれません。

『負けない』事は、何よりベストな勝負方法!

『勝とうとする事』『負けない事』一見同じように見えますが、全然違う言葉です。


『 勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。 』


 いい言葉だと思っているので、ご紹介させていただきました。



では、『負けない』ためには、どうしたらいいのでしょうか?
その方法は、2つ。また来週をお楽しみに!!
すいません、好き勝手にやってます。

こんな感じのブログを勝手にやっちゃってる理事がいる
綾南少年野球チームでございます。
『負けない子たちが、いっぱい集まってくれますように・・・』








<この言葉の意味・理由について>
参考文献、メールマガジン『セクシー心理学』より引用・参照させていただきました。

0 件のコメント: